桜の咲くころ
そんなスプラッタな光景を想像して、本気で不安になっていた。

「ブッ、お前、本気にしてんの?」

心配で口をへの字に曲げたあたしに、シンは笑って手を伸ばす。

その手をあたしは無意識に掴んで、ベットの枕元に置かれたパイプイスに座った。

「腹切って、ねじり直して、また閉じてお終い」

「手術したら治る?」

「治るんじゃね?」

「そっか・・・よかった」







数日後、春休みで暇を持て余してるあたしは、今日も飽きずにシンの病室にいた。

「俺ね、転院するんだって」

「は?」

あめ玉も、水でさえも口にする事を禁じられた状態のシンは、確実に痩せた頬を無理矢理笑顔に変える。

「な、何で?」

「んー、ここの設備じゃ無理とか言ってた」

「は?何それ、設備がないなら整えればいいじゃんね!」

「いや、無理だから転院なんだろ」

「そんな・・・。病院、決まってるの?」

「あぁ、海沿いの何ちゃらセンターとかいうデカイ病院だって」


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