桜の咲くころ
「お久しぶりー。個人タクシーの白石ですぅ」
軽快な口調で流れ込む声。
白石さん・・・。
しばらく、朝の送迎をお願いしてたタクシーのオジサンだ!
はっと我に返って「どうしたんですか?」と聞き返す。
「ピッコロのマスターから、荷物預かって来ましたー」
マスターが?
あたしに?
「あ、開けますね」
ガチャン・・・とロックが開いて滑る自動ドアの音と共に、軋む車輪の音。
何なのか想像できず、首を捻って白石さんの到着を待った。
「こんばんわぁー」
玄関の扉をノックする音。
念の為に、覗き穴から外を見ると、懐かしい顔が見えた。
「お久しぶりですっ!!」
「こちらこそ、ご無沙汰してました」
開け放した玄関で、笑顔の再会。
そんなあたし達の傍らには、台車に乗せらせた細長い大きなダンボール。
箱には【クリスタルワゴン N90】と文字が印刷されている。
「これ・・・何でしょう?」
【割れ物 取り扱い注意!!】と、赤いマジックで書かれた文字を指先でなぞりながら首を傾げて言う。
「マスターに呼ばれてさぁ、ミカコちゃんの家に持って行く様に頼まれたんだよねー。あ、手紙も預かってきてるよ!!」
ハッと思い出したような表情で、背広の内側のポケットから封筒を取り出す。
それを黙って受け取ると、その場で封を開けた。
軽快な口調で流れ込む声。
白石さん・・・。
しばらく、朝の送迎をお願いしてたタクシーのオジサンだ!
はっと我に返って「どうしたんですか?」と聞き返す。
「ピッコロのマスターから、荷物預かって来ましたー」
マスターが?
あたしに?
「あ、開けますね」
ガチャン・・・とロックが開いて滑る自動ドアの音と共に、軋む車輪の音。
何なのか想像できず、首を捻って白石さんの到着を待った。
「こんばんわぁー」
玄関の扉をノックする音。
念の為に、覗き穴から外を見ると、懐かしい顔が見えた。
「お久しぶりですっ!!」
「こちらこそ、ご無沙汰してました」
開け放した玄関で、笑顔の再会。
そんなあたし達の傍らには、台車に乗せらせた細長い大きなダンボール。
箱には【クリスタルワゴン N90】と文字が印刷されている。
「これ・・・何でしょう?」
【割れ物 取り扱い注意!!】と、赤いマジックで書かれた文字を指先でなぞりながら首を傾げて言う。
「マスターに呼ばれてさぁ、ミカコちゃんの家に持って行く様に頼まれたんだよねー。あ、手紙も預かってきてるよ!!」
ハッと思い出したような表情で、背広の内側のポケットから封筒を取り出す。
それを黙って受け取ると、その場で封を開けた。