桜の咲くころ
「き・・・キャ・・・」
声が・・・出ない。
あぁ、前にもこんな事あったっけ。
いきなり玄関の扉が開いて、あたしは声が出なくて頭を抱えて小さくしゃがみ込んで・・・。
あの時は、誰が立ってたんだっけ・・・?
腰が抜けて、身を守るように両手をかざす。
爆弾だと、思った。
もう、ダメだと力いっぱい目を瞑る。
「ご、ゴメン、俺」
ゆっくり目を開ける。
身を縮めたあたしの視界が捕らえたのは、ダンボールの箱。
そして、そこから伸びる履きこんだジーンズ。
内側から箱の縁を掴む、節ばった手の平。
そして、最後に飛び込んできた、愛しい人・・・。
「な・・・なんでぇ・・・?」
力の抜けたあたしは、理解できないこの状況に呆然とするしかできない。
「お届け物です」
そう言って、彼は無邪気に笑った。
「は・・・意味わかんない・・・」
溢れ出る涙と一緒にこみ上げてくる笑い。
オーナー、使い物にならないって、物じゃなくてシンの事だったの?
笑いのセンス、ありすぎだよ。
「シン・・・シン・・・ッ。会いたかったよぉ・・・」
箱の中に体操座りしてるシンを、あたしは泣きながら精一杯抱きしめた。
声が・・・出ない。
あぁ、前にもこんな事あったっけ。
いきなり玄関の扉が開いて、あたしは声が出なくて頭を抱えて小さくしゃがみ込んで・・・。
あの時は、誰が立ってたんだっけ・・・?
腰が抜けて、身を守るように両手をかざす。
爆弾だと、思った。
もう、ダメだと力いっぱい目を瞑る。
「ご、ゴメン、俺」
ゆっくり目を開ける。
身を縮めたあたしの視界が捕らえたのは、ダンボールの箱。
そして、そこから伸びる履きこんだジーンズ。
内側から箱の縁を掴む、節ばった手の平。
そして、最後に飛び込んできた、愛しい人・・・。
「な・・・なんでぇ・・・?」
力の抜けたあたしは、理解できないこの状況に呆然とするしかできない。
「お届け物です」
そう言って、彼は無邪気に笑った。
「は・・・意味わかんない・・・」
溢れ出る涙と一緒にこみ上げてくる笑い。
オーナー、使い物にならないって、物じゃなくてシンの事だったの?
笑いのセンス、ありすぎだよ。
「シン・・・シン・・・ッ。会いたかったよぉ・・・」
箱の中に体操座りしてるシンを、あたしは泣きながら精一杯抱きしめた。