桜の咲くころ
「絶対電話しても出ないだろうし、直接行っても入れてくれないだろうなって思った」
「うん、たぶん・・・そうした・・・」
「だろうな、ミカコの考えそうな事だもん」
「でも、モモカが言ったんだ。「一生会わないの?」って」
「・・・・・・」
「それは耐えれないなーって思って」
「・・・・・・」
「せっかく会えたのに、何で離れなきゃいけないんだろって思って」
「・・・・・・」
「オーナーに相談したら、こんな感じになっちゃいましたー」
明るく、おどけた口調で言う。
でも、あたしに回された腕は・・・震えてるよ?
「・・・シン?」
「・・・もう、離れないって約束してくれるだろ?」
「・・・シン?」
「俺達、もう離れる必要ないだろ?」
「・・・・・・」
「アイツの事は、警察に任せよう。明日、ミカコの仕事が終わったら一緒に相談に行こう」
「う、ん・・・」
「もう、俺は黙っていなくなったりしないから――」