桜の咲くころ
本気で、残酷な運命を与えた神を呪った。
それは、自ら招いた事だったとしても、この気持ちをぶつけるのは他に見当たらなかった。
なぜ――
あたしは、普通に恋をして
普通に愛し合って、結婚してって――
そんな当たり前の事が出来なかったのかな。
もう、絶対離れないって決めたのに。
そんな決心でさえも、簡単に打ち破られてしまった・・・・・・。
あたしは、何か悪い事でもしたんでしょうか?
愛する人を待ち続けたことは、間違いだったんでしょうか。
他の人に、その温もりを求めたバツ・・・なんですね。
目の前が真っ赤になって
そして白くなる。
床の冷たさも感じなくなって
叫ぶナナちゃんの声も遠くなって
あたしは、一人ぼっちで真っ暗な闇に吸い込まれていった――。