桜の咲くころ
ミカコが助かるなら、俺の血を全部持って行ってください。
俺の、この血であいつが助かるなら
こんなものいらないから。
一滴残らず、あいつに入れちゃってください。
俺は、死んでも、俺の血がアイツの体で流れ続けるなら
それも本望だと思った。
一生、ミカコの体を巡って
今日みたいに寒い日は、温めてあげたい。
体を蝕むウイルスがきても、一生懸命戦って守るから。
だから、全部、抜いてください。
そして、絶対、ミカコを助けてください――