桜の咲くころ
どこに入れたんだろう。
A4サイズの雑誌がたっぷり入りそうな位大きな自分のカバンを睨みつける。
外側のポケット、内側のポケット。
どこを探しても見つからない。
このまま、道で寝ちゃいたい・・・。
朝の慌しさが終わって、人通りが少なくなった道で途方に暮れる。
通りかかった人間も、あたしの事を朝帰りの安い女でも見るような目つきで眺めるだけで声すらかけてくれない。
関わりたくないって感じですか?
いきなり「泊めて」なんて言わないし。
せめて「ホテル行きません?」かな。
あぁ・・・ダメだ。
頭が完全にぶっ飛んでる。
病院まで戻る気力ないしなぁ…。
「もぉっ!」
あたしは、苛立ちをぶつける様にカバンを目の前に投げつけた。
「・・・何やってんだよ」
カバンから不様に飛び出した雑誌を丁寧に拾い上げる手。
俯いたあたしには、その腕とスニーカーしか見えない。
・・・サトルはスニーカーなんて履かない。
・・・じゃぁ、この足は誰?
回転の鈍った頭で必死に考える。
親切なお兄さん・・・。
「大丈夫か?おーい、ミカコ?」
へ・・・?
何であたしの名前?
俯いたまま、目だけを上に持ち上げる。
コンバースのレインボーカラーのスニーカー、履き込んだジーンズ、黒いTシャツ・・・そして最後に目に飛び込んできたものは――。
A4サイズの雑誌がたっぷり入りそうな位大きな自分のカバンを睨みつける。
外側のポケット、内側のポケット。
どこを探しても見つからない。
このまま、道で寝ちゃいたい・・・。
朝の慌しさが終わって、人通りが少なくなった道で途方に暮れる。
通りかかった人間も、あたしの事を朝帰りの安い女でも見るような目つきで眺めるだけで声すらかけてくれない。
関わりたくないって感じですか?
いきなり「泊めて」なんて言わないし。
せめて「ホテル行きません?」かな。
あぁ・・・ダメだ。
頭が完全にぶっ飛んでる。
病院まで戻る気力ないしなぁ…。
「もぉっ!」
あたしは、苛立ちをぶつける様にカバンを目の前に投げつけた。
「・・・何やってんだよ」
カバンから不様に飛び出した雑誌を丁寧に拾い上げる手。
俯いたあたしには、その腕とスニーカーしか見えない。
・・・サトルはスニーカーなんて履かない。
・・・じゃぁ、この足は誰?
回転の鈍った頭で必死に考える。
親切なお兄さん・・・。
「大丈夫か?おーい、ミカコ?」
へ・・・?
何であたしの名前?
俯いたまま、目だけを上に持ち上げる。
コンバースのレインボーカラーのスニーカー、履き込んだジーンズ、黒いTシャツ・・・そして最後に目に飛び込んできたものは――。