桜の咲くころ



「あー、おもしろかった」

エアコンを最強に付けたリビング。

あれから、国語力の低下について、あたし達酔っ払い二人は笑いながら歩いた。

ふら付いて転んで、それをシンが引き起こして。

お酒の力があったからか、誤解が解けてスッとしたのか、すごく楽しかった。



「あー、これ、球がダメ。何で一気に切れる訳?怖ぇー」

部屋の前まで送ってもらって、ありがとうとお礼を言って部屋に戻ったら電気が付かなくて、急遽、また部屋に呼び戻した。

初めは人使い荒いのなんのって愚痴ってたけど、ちゃんと来てくれる所が優しいなって思う。

間接照明が併せて3台あるんだけど、それの電球が、一気に切れていた。

呪いだーって、二人で叫んで笑って。

そして、笑いつかれた私達は床に座り込む。

「・・・俺、いてやるから、風呂入って来ていいよ」

「・・・なんで?」

「怖いだろ?」

「・・・お風呂場は電気つくよ?」

「・・・あ、そっか」

「一緒入る?」

ふざけて聞いたんだけど、心臓はバクバクいっていた。

「入るわけねーだろ」

「だよねっ」

冗談だよーと床にゴローンと転がる。

エアコンで冷えた床が火照った肌に当たって気持ちいい。

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