桜の咲くころ

神様がいるんだとしたら、どうして残酷な試練をあたし達に与えたんだろう。


あたし達は、どうして引き裂かれなきゃいけなかったんでしょうか。


どうして、再会の喜びを普通に分かち合う事が出来ないんでしょうか。


あたし達は、一緒にいてはいけないんですか――?


ただ、普通の恋人達がそうするように、寄り添って愛を確かめて。


笑って喧嘩して。


そんな、ありふれた日常を願っただけなのに。


どうして、そんな心の隅に、ベットリと黒い染みがまとわりつくんですか?


落とそうとしても、決して落ちない。


それは、あたしが起した罪だからですか?


それなら――。


シンの心には付けないでください。


シンのキレイな心に、あたしの染みを飛ばさないでください――。

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