☆一番星☆
「舜くん、あたしにも敬語はいらないよ」


「えっ、でも……」




なんか、距離を感じて嫌だ。




「じゃあ、絢華さんも俺のことを“舜”って呼んでくれます?」




呼び捨てってこと?




「……」


「嫌ですか?」


「嫌じゃないけど……」




今更で、恥ずかしい。




「じゃあ、交渉成立ってことでいい?」


「うん」




なんか成り行きだったけど、距離が縮まったようで嬉しいかも。


って……


ちょっと待って!


あたし今、何を思った?


距離が縮まって嬉しい……とか思わなかった?


待って待って待って!


あたしはこんなにも優太が好きなんだよ?


優太を想うと、まだ涙が滝のように溢れてくるんだよ?


こんなに深く優太のことを愛してるんだよ?


一昨日、紗羽が“気になってるでしょ”とか言うから、ちょっぴり意識しただけなんだよね?
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