☆一番星☆
傍にいたい
食事が終わったら、紗羽と蓮くんはそのまま帰っていった。
アパートに帰ると、蒼太と優華は疲れたのか、すぐに寝てしまった。
静まり返った部屋の中で、舜と向き合って座る。
しばらくの沈黙のあと、先に口を開いたのは舜だった。
「絢華さんは、あの隼人さんって人のこと、……好きなの?」
そう聞いてきた舜は、普段の柔らかい表情とは違って、真剣な表情をしているからか、視線を合わせられない。
「……好き、とは違う。でも、隼人さんには、ほんとに助けてもらったから」
「どういうこと?」
「……あたしにはね、親とか、兄弟とか、祖父母とか……そういう親戚って呼ばれる人が、一人もいないの」
「えっ」
舜はかなり驚いた顔をしている。
「優太もね、親はどこかで生きてるんだろうけど、どこにいるかわからない」
「……」