☆一番星☆
あたしの母はシングルマザーであたしを生んだ。


でも、もともと体が弱かった母は、あたしの命と引き換えにそのままこの世を去った。


そのあとは祖母に育てられたけれど、その祖母は優太と結婚して半年が過ぎた頃に亡くなった。


そんなあたし達だから、早く幸せな家庭を築きたかった。




そして、結婚して三ヶ月が経った頃に、小さな命がお腹に宿った。


二人で大喜びした。


休みのたびに、子供服やおもちゃを見に行った。


産まれた時、あまりに優太にそっくりな男の子だったから、思わず“ぷっ”と吹き出してしまった。


蒼太が産まれてからも、優太はあたしをあたしとしてちゃんと見てくれていた。


三人でいる時はパパとママと子供。


でも蒼太が寝てる時は、ちゃんと男と女で、優太はいつもあたしのことを愛してくれた。
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