☆一番星☆
「隼人さんからは、想いは告げられるまで、全く気付かなかった」




ずっと、黙って聞いていた舜が、ゆっくりと口を開く。




「絢華さん、これからは、俺が、……その助ける役目を引き受けたい」


「えっ」


「俺、今はまだ学生だけど、もう内定もらってるし、四月からはちゃんと社会人するし。……俺と付き合ってほしい」


「舜?」




突然の告白に、どうしたらいいのかわからない。


動揺でどきどきする胸に手をあてながら、そのまま続ける舜の言葉に、また耳を傾けた。




「優太さんのことは、ずっと想っててくれていい。泣きたい時には泣けばいい。……ただ、それは俺の傍でやってほしい」




何気なく言った舜のこの言葉……


普通に考えて、簡単に言えるものじゃない。


ふと、蓮くんが言っていた言葉を思い出した。




『いつか、絢華さんを受けとめてくれる男があらわれたら、その人はほんとに凄い人なんだと思いますよ』


『絢華さんを愛すると同時に、絢華さんの心の中に住み続ける優太さんの影も、一生見ていかなきゃならないですからね』




舜は、あたしにとって、こういう人なの?
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