☆一番星☆
「あたしね、人生の半分近くを、優太のことを想って過ごしてきたの。だから……、たぶん一生優太のことが好きだよ?」


「そういう一途な絢華さんがいい」




ずっとこっちを向いているやさしい瞳に、胸がトクンと高鳴る。




「いつまでも、優太を思い出して泣いちゃうよ?」


「その時は俺が絢華さんのことを抱き締める」




その言葉に、涙が止まっていたのに、また鼻がツンとしてきた。




「こうやって、遺影と位牌をずっと置いておくかもしれないよ?」


「優太さんがいて、今の絢華さんがあるから、俺も毎日お礼を言う」




目尻から、我慢していた涙が一粒、ほろりとこぼれた。




「二人の子持ちだよ?」


「それも含めて好きになった。前にも言ったよな?」


「あたし、やっぱり蒼太と優華が可愛いし大切だから、あたしの一番は、子供達だよ?」


「そんな絢華さんだから、俺もこんなに好きでいる」




舜の口から発される言葉に、じわじわと心が暖まってくる。


それと同時に、涙腺が壊れてしまったかのように、涙がポロポロと溢れてきた。
< 122 / 363 >

この作品をシェア

pagetop