☆一番星☆
この日はずっとうわの空で、そんなに混んでもなかったから、店長は早めにあがらせてくれた。


着替えて外へ出ると、舜が待っていて……思わず胸に飛び込んでしまった。




「少し充電させて」


「ん」




目を閉じながら舜の胸に耳をあてる。


心地よいリズムに安心する。




「絢、華……ちゃん?」




ふと、後方から聞こえてきた声。


舜から離れて、振り返ると……


そこには、隼人さんがいて、舜の方をジッと見ていた。




「あ、隼人さん。店長に早くあがらせてもらったの」


「知ってる。大丈夫かなと思って見に来た」


「あ、大丈夫だよ」


「そうみたいだな」




隼人さんは何か言いたげにこっちを見ているけれど……




「絢華さん、アパートまで送るよ」


「……うん、ありがと。じゃあ隼人さん、また明日」


「ん」
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