☆一番星☆
「ママー、あけていいよ!」




その緊張の糸をプツリと切ってくれるように、戸の向こう側から蒼太が言った。


ソファーから立ち上がってゆっくりと戸を開ける。その瞬間――



パーン!




「わっ!何!?」




その音はクラッカーで……


でもそんな音よりも、凄く綺麗に飾り付けをされた部屋の中に驚かされた。




「「ママ、おたんじょうびおめでとう!」」




え?


えっっ!?




「あっ、今日、誕生日だったんだ」




自分の誕生日を忘れちゃうなんて……


でも……


部屋の中いっぱいに飾られた、折り紙で作った花やリングや“ママおめでとう”の文字。


凄く嬉しくて、涙がポロポロと溢れてきた。




「あれ?ママないちゃった」




不思議そうに言う蒼太と優華の傍によって、二人をぎゅっと抱き締めた。
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