☆一番星☆
あまりにも、すんなりと「わかった」なんて言うから、正直戸惑いもあった。


でも、そんな蒼太の口から、ビックリするような言葉が飛び出した。




「パパが、ママのいうことをきくんだよって。ママのことをだいじにするんだよって。ママのしあわせをねがうんだよって。なんかいもゆめにでてきていったんだよ」


「蒼…太?」


「ママはしゅんにいちゃんとならんだら、しあわせなんでしょ?」


「……うん」


「ボク、ママのしあわせねがうからね。パパといっしょにねがうからね」


「ゆうかもねがうよ」


「じゃあ、パパとボクとゆうかの3にんでねがおうね」


「うん!」




二人は、顔を見合わせて笑っている。


蒼太と優華の心にどんな変化があったかは、わからない。


でも、こんなに小さな子供が、こうやって精一杯考えて、あたしが幸せになるならと言ってくれている。


それに……


優太だって、蒼太の夢に出てきてまで、あたしのことを想ってくれている。




蒼太と優華は、まだ意味はわかっていないのかもしれない。


でも、あたしのことを凄く好きでいてくれてる。


これだけで、もうすでに幸せだよ。


あたしの目から涙がこぼれるのを見て、蒼太が首をかしげながら口を開く。




「ママ、うれしいなみだ?」


「うん。凄く嬉しい涙。蒼太、優華、ありがとう」




二人をぎゅっと抱き締めた。
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