☆一番星☆
「蒼太、優華。パパはね、お星さまになっちゃったから、会うことはできないんだよ」


「えー、パパにあいたいよ」


「でもね、パパは、蒼太のことも、優華のことも、ママのことも、ずっとお空から見てくれてるの。パパには会えなくても、パパからはちゃんと見えてるんだよ」


「パパにあいたかった……」




部屋の窓から見える空を、ジッと見つめながら言ったあたしの言葉に、二人は今にも泣き出しそうな顔になる。


だから、少しでもその表情を明るいものに変えたくて……




「……次のお休みに、またお墓参りにいこっか?」


「「うん!」」




嬉しそうな顔をした二人に、凄く安心した。






こうやって、ことあるごとに、優太のお墓参りに行く。


電車とバスに揺られ、何もない道を歩いて、ようやく優太が眠っている場所にたどり着く。


お花を供えて、ろうそくと線香に火をともし、三人で手を合わせる。
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