☆一番星☆
結局、慎吾くんもアパートまで付いてきた。


部屋に入って、優太に手を合わせる。


これは舜と付き合い始めてからも、普通に続けてること。


舜もいつも横に並んで手を合わせてくれる。




「さっ、ご飯の準備をしようかな」




そう言った横で、優華があたしの服をつかんできた。




「優華、どうしたの?」




しゃがんで、優華の顔を覗き込むと、なぜか泣きそうな顔をしてる。




「何で泣きそうなの?」


「だって……」




優華はそう言って、慎吾くんをチラッと見た。




「ん?慎吾くん?」




優華が小さく頷く。




「慎吾くんは舜兄ちゃんのお友達だよ」




優華はあたしの耳元で




「だってこわいおにいちゃんなんでしょ?」




とヒソヒソと話した。


怖いお兄ちゃん?




あ、……そっか。
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