☆一番星☆
「優華、どうした?」




舜も心配そうに声をかけてくる。




「水族館で会った舜の友達は、みんな怖い人だって思ってるみたい」


「水族館?」


「うん」




舜は少し考え込んだあと、パッと思い出したように顔をあげた。




「あっ!絢華が男に生まれればよかったって話してた時のことか?」


「ふふ、そうそう」


「あいつらを怖いって言ってたのか。何の話をしてたか気になってたんだよな」


「ボクはおとこのこだからこわくなかったよ。ボクがママとゆうかをまもるからね」




舜とあたしの会話を聞いていた蒼太が、かわいい言葉で口を挟んできた。




「蒼太が守ってくれるの?」


「うん!パパとやくそくしたもん!」


「そっか」




蒼太から優太のことを聞くと、やっぱり目頭が熱くなる。


蒼太を抱き締めて、頭をなでながら




「蒼太、ありがとね」




と言うと、




「だから、このおにいちゃんはボクがやっつけるからね」




って言うから、舜とあたしは、ぷっと吹き出してしまった。
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