☆一番星☆
二人はにこにこしながら、目の前のお子様ランチを食べている。




「ママ、このエビフライはんぶんあげるね」


「じゃあゆうかは、ハンバーグはんぶんあげる」




いつも二人が食べている様子を見ていると、こうやって自分が好きなものでも、あたしにも分けてくれるんだ。




「ありがとう、じゃあもらうね」




それを素直に受け取り、順番に頬張る。




「おいしいね」


「うん、おいしー」




こうやって、笑いながら食事をする時間も、凄く癒される。




「ママ、ゆうかもうたべれない」


「じゃあママが食べるね」




優華が残したお子様ランチも、順番に頬張っていった。




「絢華ちゃん、食べてる?」




そのまま顔を上げると、そこにいたのは……




「あ、隼人さん。調理場はいいの?」


「おー、今客が少ないからな」




周りをちらっと見回してみると、確かに少ない。


お昼をだいぶ過ぎてしまっているからだ。




「蒼太、優華、今日はどっか行ってきたのか?」


「うん!パパのおはかまいりにいってきたよ!」


「そうか、ちゃんと手を合わせてきた?」


「うん!ボクね、パパにいっぱいおはなししてきたんだ」


「そっか」




隼人さんは、あたしがファミレスに顔を出したときは、必ずこうやって蒼太と優華にまで気にかけて話してくれる。
< 22 / 363 >

この作品をシェア

pagetop