☆一番星☆
「じゃあ、教えてくれよ」




切なそうに揺れる瞳を見ていたら、胸がぎゅっとつかまれたように痛くなった。


優太の話をすると、舜が胸を痛めるって思っていたけれど……


きっと、話さない方が、傷つけちゃうんだ。




「……明日は、……優太の誕生日……と、……優太にプロポーズされた日。……あたしが、優太と過ごした時間の中で……1番幸せだった日」




あたしは首から下がっている二つの指輪を、服の上から握り締めた。


その瞬間、両目から大粒の涙がポロポロと流れてきた。




『絢華は俺がいねぇと生きていけねぇだろ?』




たぶん、蒼太と優華がいなかったら、ほんとに生きていけなかったと思う。


でも、あたしはちゃんと生きてる。


こうやって、元気に……生きてる。


舜はあたしを抱き締める腕に力を込めた。




「絢華、泣きたいだけ泣け。俺じゃ優太さんの代わりにはなれねぇけど、こうやってずっと抱き締めててやるから」




やっぱり舜って、……あったかい。
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