☆一番星☆
「舜、あたし……明日、優太のお墓参りへ、行ってくる」


「ん、俺が車を出してやる」


「え」




思わず顔を上げた。




「い、いの?」


「当たり前だろ?」




やっぱり、あったかい。




「絢華、我慢するな。優太さんのことで我慢はするな。俺が全部受けとめてやるから」




舜は、どうしてこんなに心が広いの?


舜の胸を押して少し隙間を作った。


服の中に入っている指輪を引っ張りだして、手のひらに乗せる。


そっと口付けをしてから、ぎゅっと握った。




「それ、結婚指輪?」


「え」




舜の声に顔を上げた。


あたし今、自分の世界に入ってた。




「絢華が、いつも大切に胸にしまってる、その指輪」




“いつも”って……


“大切に”って……




「な、んで?」




知ってるの――…?
< 227 / 363 >

この作品をシェア

pagetop