☆一番星☆
「絢華、たぶん無意識じゃねぇかな。いつもよく触ってる。前に抱いた時にその指輪が首から下がってるのを見て、“きっと優太さんとの思い出の指輪なんだろうな”って……」


「うん」


「絢華は指にしねぇの?」


「……指輪だけでも、優太の傍にいたくて」


「そっか、なんか絢華らしい」




舜はそう言って微笑んだ。




「……ごめんね」


「だから、何で謝んの?」


「だって」




舜のことが好きなのに……


こんなに傍にいてくれてるのに……


今あたしの心は、優太でいっぱいだ――




「俺は、そんな一途な絢華だから、こんなに好きなんだからな」




何でそんなふうに思えるの?


今度は、舜の温かさに、涙がこぼれた。
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