☆一番星☆
「ゆうか、パパにはあえないんだって……」




そう言って優華は泣きだしてしまった。


そんな優華を見ていると、あたしも目に涙が滲んできて……


隣に座る優華を、そっと抱き締めながら




「優華、ママもね、パパに会いたいんだよ。でもママだって、我慢してるんだよ」


「ママもがまんしてるの?」




うつむいていた顔をあげて、優華がビックリしたような顔をして、聞いてくる。




「うん、でもね……」




ファミレスの窓から空を見上げて……




「今もパパは、優華と蒼太とママのことを見てるから、寂しくないよ」


「ゆうかもパパがみえたらいいのに」


「ほんとだね」




こんなに小さな子供が、どんな思いで、さっきの言葉を口にしたんだろうって考えると、ただそれだけで胸が痛くなる。




「絢華ちゃん、大丈夫?」




すぐ横に立っている隼人さんが、顔を覗き込みながら心配そうに声をかけてくれるけれど……




「……いつまでもあたしがメソメソしてるから、蒼太と優華にも伝わっちゃうのかな」




母親の不安は、子供にも伝わっちゃうって言うし……


きっと、……あたしが、早く前に進まなければならないんだ。
< 23 / 363 >

この作品をシェア

pagetop