☆一番星☆
あたしがいつまでも顔を上げないから、舜は痺れを切らしたのか、うつむいているあたしの顔を覗き込んで……




「好きだよ」




そう言って、キスをしてきた。




「…んッ…」




だんだん深くなるキスに、力が抜けてきた。


と、同時に……


慌てて舜の胸を押して離れた。


すーっと、仕切りの戸が開いて……




「ママ、おはよ」




蒼太が起きてきた。


間一髪……


何となく起きてくる気がした。


母の勘って凄い。




「ママ、ないてるの?」




さっき散々泣いたから、目が腫れてるのかな。




「大丈夫だよ」




そう言って微笑むと、蒼太もニッコリと笑った。


明日、泣かずに優太の誕生日を過ごすことができるのかな。
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