☆一番星☆
優太と最後に過ごした秋の終わりに買ってもらったワンピース。


でもそのあとすぐに、優華を妊娠して『体を冷やすから、これはお腹の子を産むまで着るな』って言われたんだ。


だから、一度も袖を通していない。


これ、着ようかな。


四年も前のものだし、形が古いかな……


でも、こんな時でもないと着れないし……


これにしよう。



準備を終えた頃に、ちょうど舜がやってきた。




「おはよう」


「……」


「舜?」




なぜか言葉を発しない舜。


もう一度顔を覗き込みながら名前を呼ぶと、舜は顔を背けてしまった。




「何?」


「……絢華、可愛すぎ」




え?


可愛すぎ?




「やべぇって」


「……」


「いつもと違いすぎるから」


「あ、……気合い入れすぎちゃった?似合ってないかな?」




もしかして、あまりに見慣れない格好だから、引いちゃったかな?
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