☆一番星☆
「絢華、どうした?」


「ん?何が?」


「元気なくねぇ?」




相変わらず、舜は鋭い。




「あたし、舜のこと、何も知らないなって思って」


「じゃあ、これから知っていってよ」


「え」


「な?」


「うん」




何気ない一言だったのに、この言葉の中には、舜の温かい気持ちが一杯詰まってる気がして、凄く嬉しくて、……笑みがこぼれた。


向かいに座る二人には気付かれないように、テーブルの下で手を繋いだ。


ふと視線を上げると、紗羽が泣いていて……




「紗羽?どうしたの?」


「だって、絢華がっ……」


「あたし?」


「やっと、絢華の笑顔が見れた」


「えっ…」


「優太さんがいなくなってから、絢華、笑ってたけど、蒼太と優華に見せる笑顔以外は、ずっと……ほんとの笑顔じゃなかった」


「……」


「絢華、良かったね」




その言葉に、あたしまで涙がポロポロと溢れてきた。
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