☆一番星☆
「絢華ちゃん、どうかした?」




身を潜めていたはずが、簡単に見つかってしまった。




「あ、店長……ちょっと疲れちゃったみたいです」




嘘、ついちゃった。




「大丈夫?」


「……はい」




嘘をついてしまったせいで、心配してくれる店長に、申し訳ない気持ちになる。




「そういえば、明日優華ちゃんの誕生日だな」


「はい、もう三才になります」


「そっか、もう三年か……」




三年前、優華が産まれた時、あたしは大号泣だった。


普通に陣痛が来て、出産の痛みが伴うものの、お産自体は普通だった。


でも優華の顔を見たとたん、あまりに優太に似ていたから……


たった二ヵ月前までは、普通に一緒にいた優太に、そっくりだったから……


取り乱すように泣いてしまった。
< 28 / 363 >

この作品をシェア

pagetop