☆一番星☆
ちょうどその時、店長が蒼太を連れてきてくれて……


ただ泣き続けるあたしを、宥めてくれたんだっけ……




あたしが産後しばらく入院していた時は、店長と佳菜子さんと隼人さんが、順番に蒼太を預かってくれて……


この三人にはほんとにお世話になりっぱなし。




「絢華ちゃん、今日はもうあがっていいよ」


「え、こんなに混んでるのに?」


「ん……なんか顔色が悪い。明日優華ちゃんの誕生日だから、ちゃんと体休ませて?」




『疲れた』なんて、嘘だったんだけど……


優太のことを思い出しちゃったから……




三年経った今でも、優太のことを思い出すと胸が痛くて、この感情を抑えられなくなる。




「店長、すみません。じゃあ、お言葉に甘えて」


「うん、お疲れ」


「はい、お先に失礼します」




こんなことで早退なんて、甘えてるってわかってる。


でも……、甘えられるところでは甘えたい。




そのあと佳菜子さんにも一言“すみません”と言ってから、ファミレスをあとにした。
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