☆一番星☆
「ママ?」



蒼太が心配そうにあたしの顔を覗き込んできた。



「ねぇ、蒼太、優華、……今日はママ泣いていい?」


「なんでなくの?」


「パパのことを、いっぱい思い出して泣きたいんだ」


「ママ、きょうだけね。パパがかなしくなるから」


「うん、そうだね。今日だけにするね」



蒼太も優華も少しずつこの雰囲気に慣れていって、気が付いたら横にはいなくて、いろんな場所でもみくちゃにされながら、可愛がってもらっていた。


そんな姿を見て、やっぱり笑みがこぼれた。
< 305 / 363 >

この作品をシェア

pagetop