☆一番星☆
免許
それからは、ただ前へ進めるようになった。


昨年までの優太の命日には、ただ泣くだけで、蒼太と優華に慰めてもらっていたのに……


今回はあの時とは、気持ちがまるで違っていた。


優太がいない現実は、やっぱり切なくなるけれど、今はそんなあたしを支えてくれる人がいるってだけで、気持ちが楽になれた。




昨年は三人で優太に会いたいと願った七夕も……


夏休み前の優華のお誕生日も……


蒼太と優華が浴衣を着て踊った保育園の夏祭りも……


どうしても優太を思い出してしまう花火大会も……


昨年は、涙ばかり流して過ごした思い出……


でも今は、そのすべてに舜がいて……


今のこの光景が当たり前で……


それでも四年前まで優太がいたという現実も、ちゃんと胸に残っていて……


舜と付き合うようになって、優太がいなくなってから失ってしまったこの世界の色が、また色付いてきた。
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