☆一番星☆
「……ねぇ舜、話があるの」


「……」



何となく、舜が顔を歪めたように見えた。



「聞いてる?」


「何だよ?嫌な話じゃねぇだろうな?」


「結婚式直前に嫌な話なんかしないよ。……凄くいい話だと思う」


「何?」


「手を出して?」



差し出された舜の右手を、あたしの下腹部にあてる。


ここに舜との赤ちゃんがいると思うと、凄く心があったかくなって……


舜を見上げながら、笑みがこぼれた。



「八週目だって」



舜は目を見開きながら、あたしのお腹にあてられた自分の手と、あたしの顔を交互に見た。



「……マ、ジ?」


「うん。舜とあたしの赤ちゃんだよ」



と言いながら微笑んだ。
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