☆一番星☆
「隼人さん、ありがとう。二人とも凄く喜んじゃって」


「いや、それはいいんだけど、……これ……」


「えっ?」


「これ、優太くんのだろ?借りて良かったの?」




申し訳なさそうに言う隼人さん。


でも、あたしがいいと思って出したんだから、ちゃんとそれを伝える。




「うん、大きすぎなくて良かった」




でも、……振り向けなかった。


振り向くと、きっと泣いちゃう。


優太を思い出して、泣いちゃう。




「絢華ちゃんも入ってきたら?」


「えっ」


「俺、蒼太と優華を寝かせとくよ」


「いや、そこまでしてもらったら……」




さすがにそれは申し訳なくて断ろうとしたら……




「ボク、はやととねたい!」


「ゆうかもねたい!」




なんて、二人の気持ちが隼人さんに向いていて……




「な?こう言ってるし」




だから、……甘えることにした。




「じゃあ、入ってきちゃおうかな。蒼太も優華もすぐに寝るのよ?」


「「はぁーい!」」




この返事、ちゃんとわかってるのかな。
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