☆一番星☆
「じゃあ、隼人さんお願いします」


「ん、一人で入ることなんて滅多にないだろうから、ゆっくり入ってこいな」


「うん、ありがとう」




確かにこの三年、一人でゆっくり入ることなんてなかった。


バスタブに入りながら、さっきの隼人さんの姿を思い浮かべた。


ほんとに優太がいるのかと思った。


いるはずないのに……


優太に、会いたいな……


これじゃ、蒼太や優華と変わらないじゃん。


せめて、死に目に会えていたら、胸の内は違っていたのかな。


そんなことを考えていたら、また涙が溢れてきた。


こうやって優太を思い出して泣くのは、いつも蒼太と優華が寝てから。


母親の涙って、子供の不安を誘うから、できるだけ泣かないようにはしているけれど……


それでもたまに、我慢できずに、さっきみたいに子供達の前でも泣いちゃう。
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