☆一番星☆
いろいろ話しながら歩いていたら、アパートに着いた。




「じゃあ、絢ちゃん、おやすみ」


「うん、おやすみ」




麻衣ちゃんたちと別れて、アパートの部屋に入る。


そしたらまず、優太に手を合わせる。




優太……


ただいま。


今日は蒼太と優華の夏祭りだったんだよ。


凄く上手に踊ってたよ。


凄く可愛かったよ。


泣きそうなのをグッと堪えて、子供達に声をかける。




「ほら、蒼太も優華もパパに浴衣見せて“ただいま”しなさい」


「「はぁーい!」」




二人は優太の遺影の前で浴衣を見せてから、手を合わせて“パパ、ただいまー”って言ってる。


その姿に、思わず笑みがこぼれた。


生きてる優太に見せたかったな。


……すぐに涙腺がゆるんじゃう。


それを隠すように、お風呂の準備をした。
< 56 / 363 >

この作品をシェア

pagetop