☆一番星☆
「あっ!」




突然大声をあげた蒼太。




「蒼太、どうしたの?」


「バスケのボールだ!」




佐伯くんが持っているボールを指差して言った。




「お兄ちゃん、バスケをやってるんだって」


「えー、すごーい!!パパとどっちがじょうず?」


「どうかな?ママ、お兄ちゃんがバスケしてるのを見たことがないから」


「ねぇ、おにいちゃん、ボクにバスケおしえて」




蒼太は、目を輝かせながら、佐伯くんに話しかけている。




「佐伯くん、ごめんね。息子の蒼太と娘の優華なの」


「だから舜でいいって」


「あ、そうだったね」




そういえば、さっきそう言ってた。




「蒼太くん、パパもバスケやってるの?」


「うん!」


「パパには教えてもらわないの?」


「……」




蒼太が眉を下げながらうつむいた。
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