今夜、俺のトナリで眠りなよ
「そ。俺がなんとかするって、電話で言ったけど。俺じゃ、不安そうだったからな」

「そんなこと……」

「俺は未成年で、義理の息子の弟だからな。無条件で『大丈夫』っていう確信はもてないだろ」

 一樹君が、ふんっと鼻を鳴らして笑い、「ま。実際は兄貴より頼りになるけどな」と呟いた。














「ちょっと、一樹君……離れて」

「嫌だよ」

 私の後ろにぴったりとくっついて抱きしめている一樹君が、うなじにちゅっとキスを落とした。

 カーテンから、明かりが差し込んでくる。外が明るくなってきているんだ。

 長時間、歩いた身体は疲れているはずなのに、ドキドキして、全然眠気が襲ってこない。

 一樹君に抱きしめられて、ベッドの中で横になっている。

 家に帰って来てから、一樹君が全く離れてくれない。
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