今夜、俺のトナリで眠りなよ
 ぴたっと肌と肌を密着させている。

「ねえ、私……寝ないと」

「どうぞ。眠いなら、寝ていいよ」

「これじゃあ、寝れない」

「なら、起きてるといい」

「困る。夕方から、同窓会に行くし……。その前に少し休みたい」

 ぎゅっと一樹君が強く抱きしめた。

「同窓会。俺、ついて行くから」

「え? なんで?」

「会場には入らない。でも、車で送り迎えする」

「大丈夫よ。ちゃんと電車が動いているうちに帰ってくるから」

「大丈夫じゃない。電車が動いてても、俺が送迎する」

< 108 / 135 >

この作品をシェア

pagetop