今夜、俺のトナリで眠りなよ

　私は優樹さんと向かい合って座っている。

　珍しく早く帰ってきた優樹さんに、私は一枚の用紙を差し出した。

「桜子、これは一体……」

「突然過ぎて、申し訳ないって思うけど。私と離婚してください」

　私は頭をさげた。

「私の部分はもう記入済みですから」

　優樹さんはちらっと離婚届を見てから、私に用紙を突き返した。

「僕は書かないよ。離婚する気はないから。だいたい結婚してまだ４ヶ月だよ。離婚するなんて……」

「わかってます。でも…」

「一樹のせいかな？」

　優樹さんが、腰をひねって居間のソファでテレビを見ている一樹君を見やった。