今夜、俺のトナリで眠りなよ
「まさか。俺、桜子さんと早く恋人同士になりたいんだけど」

 一樹君が、にこっと笑った。

「優樹さんが離婚に承諾してくれなくちゃ…」

「桜子さん、俺に少し時間をくれる?」

 一樹君が何を閃いたかのような表情をする。

「どうするの?」

「俺に一つだけ案があるんだ。それを試させてもらおうかなって」

「危険なこと?」

「全然。今夜、ちょっと出かけてくるね」

 一樹君は私に背を向けると、二階にあがっていった。

 何をするつもりなの?

 危険なことじゃないって言ったけど。無理はしないで。

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