今夜、俺のトナリで眠りなよ
「兄貴、二兎追うモノ一兎も得ずっていうことわざを知ってる? さあ、決断のときだ。どうする?」
俺はテーブルに足を乗せると、兄貴を見上げた。
「何を言っているのかさっぱりわからないな」
「はっきり言っていいの?」
兄貴が口を引き上げて笑った。
俺は鞄の中から、封筒を二枚出す。一枚は、桜子が書いた離婚届が書いてある。もう一枚は、親父の遺言書のコピーだった。
「桜子を選んで、この会社ごと全てを捨てるか。桜子と離婚して、会社に残るか。どっちを選ぶ?」
「なんで一樹がこれを持っているんだ」
親父の遺言書のコピーを見て、兄貴の顔が真っ青になった。
「親父が保険をかけておいたんだろ。あんたらの手中に遺言書があれば、好きなように改ざんされるって。現に、親父の意思は無視されて、兄貴が社長になった。本来なら、俺がその椅子に座っていたはずなのにな」
兄貴がふんっと鼻を鳴らした。
俺はテーブルに足を乗せると、兄貴を見上げた。
「何を言っているのかさっぱりわからないな」
「はっきり言っていいの?」
兄貴が口を引き上げて笑った。
俺は鞄の中から、封筒を二枚出す。一枚は、桜子が書いた離婚届が書いてある。もう一枚は、親父の遺言書のコピーだった。
「桜子を選んで、この会社ごと全てを捨てるか。桜子と離婚して、会社に残るか。どっちを選ぶ?」
「なんで一樹がこれを持っているんだ」
親父の遺言書のコピーを見て、兄貴の顔が真っ青になった。
「親父が保険をかけておいたんだろ。あんたらの手中に遺言書があれば、好きなように改ざんされるって。現に、親父の意思は無視されて、兄貴が社長になった。本来なら、俺がその椅子に座っていたはずなのにな」
兄貴がふんっと鼻を鳴らした。