今夜、俺のトナリで眠りなよ
「離婚の説明の他にもね。理由があって来たみたい。桜子との交際を許して欲しいって」

「ええ?」

「お父さん、びっくりして腰を抜かしてたわよ。なんだかんだと文句を言ってたけど、反対はしてないみたい」

 お母さんが、「良かったわね」と笑顔を見せてくれた。

 私はまた頷くと、お母さんと別れて、一樹君のところへ走っていった。

「一樹君、お母さんから聞いたよ……って、どうしたの? 頬が真っ赤よ」

 一樹君の両頬が真っ赤に腫れあがっている。

 ゆっくりと視線をあげた一樹君が、「あはは」と苦笑した。

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