今夜、俺のトナリで眠りなよ
「台所に立った事もねえ女が、よく文句を言えるよな」

「一樹、貴方……何なんです?」

「別に。誰かさんのものまねしているだけ」

 お義母さんが後ろを向くと、横になっている一樹さんの足をバシっと叩いた。

「いつもいつも、ぐうたらして! 優樹さんに迷惑ばかりかけているんじゃないの?」

「い、いえ。今日も朝から手伝ってくれたんですよ」

 私が慌てて、口を開く。

「皿、並べただけだけど」

 そんなことない。料理も手伝ってくれた。

 私が『違う』と口を開こうすると、一樹君が首を左右に振った。

 言わなくていい、と顔に書いてある。

「確か、手伝っているときに皿を割った。母さんが兄貴に買った白いヤツ」

「え?」とお義母さんの目が見開いた。
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