【短編】こんなものいらない
【短編】こんなものいらない
朝、ダブルベッドの上で1人目が覚める。
少し前までなら丁度良かった大きめのベッドも、ここ数ヵ月、広すぎると感じずにはいられなくなっていた。
原因はわかっている。
わかっているけれど、何もできない。
もやもやした気持ちのまま、あたしは寝室のドアを閉める。
欠伸をしながらリビングに向かうとそこには、カップを手に持ちソファに座る一人の男。
テレビの音がしたから、どうせ居るのはわかっていた。
「おはよう里奈」
「おはよ。遅かったね」
「…ん、まあいろいろ」
バツが悪そうに言葉を濁す彼、慶太と同棲し始めて、今年で2年目になる。
付き合うようになって今年で4年目。
倦怠期なんてのはとっくのとおに通り越して、今じゃもう熟年夫婦に近い会話の少なさ。
「眠いし、一眠りするわ。コーヒー飲みたかったらそこにインスタントあるだろ」
慶太はそれだけ言うと、いそいそと寝室に入っていった。
少し前までなら丁度良かった大きめのベッドも、ここ数ヵ月、広すぎると感じずにはいられなくなっていた。
原因はわかっている。
わかっているけれど、何もできない。
もやもやした気持ちのまま、あたしは寝室のドアを閉める。
欠伸をしながらリビングに向かうとそこには、カップを手に持ちソファに座る一人の男。
テレビの音がしたから、どうせ居るのはわかっていた。
「おはよう里奈」
「おはよ。遅かったね」
「…ん、まあいろいろ」
バツが悪そうに言葉を濁す彼、慶太と同棲し始めて、今年で2年目になる。
付き合うようになって今年で4年目。
倦怠期なんてのはとっくのとおに通り越して、今じゃもう熟年夫婦に近い会話の少なさ。
「眠いし、一眠りするわ。コーヒー飲みたかったらそこにインスタントあるだろ」
慶太はそれだけ言うと、いそいそと寝室に入っていった。