【短編】こんなものいらない
「プレゼントだって、里奈に」
「ぷ…?」
「なんか、もうすぐ大事な日だからって、お金貯めてんの」
その為に、働いてるの?
毎日朝に帰ってくるの?
疲れてるから、素っ気無いの?
まだ良く理解できなかった。
だけど、頑張ってる慶太。
それはあたしの為なの?
嬉しい、それはすごく嬉しいけれど。
「で、でも…大事な日って、何?記念日なら、まだまだだよ?」
「ね。あと2、3ヵ月後だもんね」
そう、もうすぐにしては記念日は遠すぎる。
かといって他の記念日だってこの季節には無かったはずだ。
あたしはそういうの忘れるタイプではないし、慶太の言う"大事な日"がわからなかった。