【短編】こんなものいらない

***

 
「今日ありがとなー」

「いえー。じゃあまた」


用事を済ませたのは、7時頃だった。 
 
 
予想外に遅くなってしまったけれど、慶太は夜からのバイトらしいし、丁度良いと思った。

そのまま直行しようと、ファミレスのある駅までの切符を買う。 
 
 
電車に揺られながら窓の外を見て、真っ暗だ、と思った。

 
 
 
それから約20分後、目的地に着く。

 
いつも4人で来ていたファミレス。

しばらくここには来ていない。

いつ頃からだったかは覚えていないけれど。 
 
 
 
あたしはこっそりとガラス張りの窓から店内の様子を覗いた。

なんだか変な人だな自分と思いながら。 
 
 
けれど慶太らしい人は見つけられなくて、仕方なくファミレスのドアを引いた。


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