【短編】こんなものいらない
 
 
***

大学は家から近くて、駅で1つ。

少し早めに着いたあたしは、朝ご飯でも食べようと考えていた。
 
 
キャンパスの中を歩いていると、ポンと肩を叩かれ、後ろから声がした。 
 
 

「おはよー」

「おはようさん」

 
振り向くと、そこに立っていたのは友達の由美と、その彼氏の仁だった。

 

「あ、おはよう」

 
会話をしながら3人並列に並んで歩く。

由美と仁は高校時代から付き合っていて、それでいて未だに仲がいい。


ここに入学したときも、この2人に声をかけられて仲良くなった。

それから一緒に入ったサークルに慶太が居て、由美と仁の紹介で知り合った。
 

 
「慶太は?一緒じゃないの?」

「あー…」

 
そういえば、慶太との関係に付いては誰にもいっていなかった。

1人で抱えていた気がする。
 
 
 
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