欲しいのはただ、愛おしい妹だけ
…─────コンコン…
「入るよー?」
そんな事を思っていると、部屋の扉を開ける音が聞こえてきた
俺はとっさに起き上がり、扉に背を向ける
「兄ちゃん、夜ご飯出来たから早く来てねっ!!」
それと同時に聞こえてきた、聖愛の声
「わっっ、わ…、分かったよっ!!
すぐに行くからさっ」
聖愛に背を向けたまま、あたふたとしている不自然な俺
扉を開けたのが聖愛だと分かっていたから、全く心の準備が出来ていない
………あんな夢を見てしまった後だ
すぐに聖愛の顔なんて……
見れる訳ないだろっ!!
体中が熱くて、心臓もドキドキと高鳴ってる
「……変な兄ちゃん。
早く来てよ?もぅ蒼良と桜良も来てるんだからさっ!!」
不思議そぅに言葉を返した聖愛だったけど、そのまま扉を閉めて行ってしまった
…はぁぁ~~っと言いながらうなだれた俺はもう、精神的にも肉体的もクタクタな状態だ
いや、特に……肉体的だなっ。