欲しいのはただ、愛おしい妹だけ
今日も俺は、彼女の無知な笑顔に心を奪われていた
……
「ねぇ~、いいでしょ?
今日は兄ちゃん達の入学式なんだからー!!」
彼女が俺の腕に絡み付き、上目遣いで見つめながら頬を膨らます
それと同時に、俺の心も破裂しそぅなくらいドキドキと踊りだす
「わっ、わっ、分かったから…いい加減、腕から離れろよっ!
いつまでも、ベタベタ甘えるなよなっっ!?」
俺は彼女から絡まれている腕を、無理矢理引き離した
普段は気丈でしっかり者の彼女
だけど時折、見せる甘えた顔に甘える声
背中まである長くて綺麗な髪
それがたまらなく、俺の心を掻き立てていく
開いてはいけない『男の心』
本当はすごく、嬉しいはずなのに
もっと俺の腕に抱きついててほしぃのに──…
この気持ちは、イケナイんだ。